徹底検証!家風呂の楽しみ方
サウナーのみなさまから依頼を受けて実施する徹底検証企画。昨年5月に行われた「
オンラインサウナバザール
」にて、多くの参加者から「家風呂の入り方を記事にしてほしい」とサウナタイムへの要望をいただいた。
サウナ施設と自宅のお風呂。この2つを併行して楽しむためにも、意外と知らない家風呂の楽しみ方と水分補給の重要性をリクエストに応じて検証してみた。
「楽しい家風呂」とは「体温差をもっとも感じる温冷交代浴」
まず、「家風呂の楽しみ方」の検証に入る前に、「楽しい家風呂」の定義を明確にしてみたい。
アロマを焚いたり照明に凝ったりと楽しい家風呂には様々な方法があるが、今回はあくまで「サウナーがサウナ施設に行けない時に代替して楽しめること」を前提にする。なので、サウナのときに感じる気持ち良さ、楽しさを味わえることを「楽しい家風呂」の条件にしようと思う。
とすると、熱いサウナと冷たい水風呂、そしてディープリラックスの休憩。これを自宅で再現できること、つまりは「体温差をもっとも感じる温冷交代浴」これを「楽しい家風呂」の定義にして、どのような入り方がもっとも体温差がでるのかを検証してみた。
また、家風呂によっては、ミストサウナや加湿機能、室内乾燥や暖房など設備に差があるので、今回の検証はどの自宅にも必ずあるもののみに絞り、ミニプールなど設置に場所や手間が必要なものも省いた。
パターン① 熱いお風呂→冷たいシャワー→休憩
先ほど述べたように、
「どの自宅にも必ずある設備」
「手間や場所をとる物は使わない」
これに絞ると、使う設備は「湯船」と「シャワー」。道具は手間などを考慮して「傘」のみ。と、徹底検証と言う割にはいたってシンプルな検証になってしまった……。
検証方法は、3つの入浴パターンを試し、もっとも体温差が生じた入り方を、「サウナタイム的ベスト家風呂の入り方」としたい。
熱いお風呂→冷たいシャワー→休憩
まずはもっともオーソドックスな入り方。熱いお風呂に入り冷たいシャワーで体を冷ましてから休憩するパターン。
熱いお風呂は41℃の少し熱めのお湯に10分入り、その後約18℃のシャワーを2分浴びる。
まずは41℃のお風呂。よく考えたらお風呂に10分入るというのはなかなかありそうでない時間。
おすすめは本やスマホなどを持ち込まず、ただぼーっと10分間考え事で過ごすこと。サウナの時のあの無心に近い感覚をここでも再現。
41℃のお風呂に10分間入るとかなり体が熱くなる。ここで体温計で体の熱を測ってみた。平熱よりもかなりあがり、なんと39.6℃!
続いて冷たいシャワータイム。約2分。頭からかぶりなるべく全身に冷たいシャワーがいきわたるようにする。立って浴びるのがコツ。頭頂部にしっかりシャワーをあてると、ドシー恵比寿のウォームピラーのような感じがして気持ちいい。
シャワーといえども思いの外けっこう冷えた。体温を測ると36.0℃。つまり、このパターンの温度差はマイナス3.6℃となる。
休憩は自宅のベランダで。風がとても気持ちいい。サウナ施設ほどではないが、少しととのうときに感じるぐるぐるした感覚はやってくる。飲み物とおやつを傍に置いてゆっくりできるのも自宅ならでは。
パターン② 熱いシャワー→冷たいお風呂→休憩
次は、さっきのパターン①と逆のパターン。熱いシャワーでじっくり体を温めてから、冷たいお風呂に入って体を冷やす。ある意味もっともサウナ的な入浴方法だ。
じっくり10分ほど熱いシャワーで体を温める。コツは、足首、お尻の上、首の後ろという順番で集中的に温シャワーをかけること。これでかなり体は温まる。お風呂で10分過ごすこと以上にシャワーの10分は退屈なので、カラオケボックスばりに歌でも歌いながらやると楽しい。
10分、シャワーで体を温めて体温を測ってみたら、37.6℃。シャワーといえどもしっかりポイントをおさえたらかなり体温は上がった。
次に、浴槽に水をためて水風呂にして体を冷やす。温度は18℃。シャワーで体を温めている間は必ず水風呂にフタをしておこう。そうすると熱いシャワーが水風呂に入らず温度のブレをおさえることができる。シャワーだと体が温まりきってないからか、家水風呂けっこう冷たい……。
体温は35.9℃。もっと下がっているかと思ったが、さきほどの冷シャワーとさほど変わらない。この熱いシャワー→冷たいお風呂のパターンによる温度差はマイナス1.7℃。
おきまりの外気浴。体は熱い風呂ほど温まってないので、温度差はそんなになかったが、水風呂あがりなのでじわじわととのう感じはやってくる。夏に家風呂を楽しむ時はパターン②がベストかも……。
パターン③ 熱いお風呂(傘つき)→冷たいシャワー→休憩
最後のパターンはちょっとした道具を使う。パターン①と流れは同じだが、最初の熱いお風呂に傘を使い、ミストサウナのような効果を狙う。傘はどこにでもあるようなビニール傘を使用。パターン①との違いに着目してやってみたい。
熱いお風呂に湯船の蓋を半分だけかけて、ビニール傘をさしながら入浴。場所も取らなければそんなに手間もとらない。もっともお手軽な小道具だ。数分経ってくると顔にものすごい汗が吹き出てきて気持ちいい。見た目はちょっとシュールだけど……。
体温は39.6℃。パターン①と湯船の温度、入浴時間が同じだからか、まったく一緒。が、10分経って傘をとったときの空気が晴れるような爽快感はすごかった……。
続いて冷たいシャワー。こちらはパターン①と同じ。冷たいシャワーを2分間体にかけて、じっくり冷やす。
体温は36.2℃。これもパターン①とほぼいっしょ。温度差はマイナス3.4℃。
そして外気浴。合間、湯船を入れ替えているのでスキマ時間はあったが、パターン①から③、がっつり3セット入った。心地いい疲労感。
もっとも楽しい家風呂のパターンは……
パターン①から③を試したが……。
う~~ん、、どれが1番良いかはなかなか甲乙つけがたい……。
パターン①は温度差が3.6℃。
もっとも温度差が出て気持ちよかったが少し冷えが足りない。
パターン②は温度差が1.7℃。
水風呂でしっかり冷えたが、温シャワーだと温風呂ほど体が温まらない。
パターン③は温度差が3.4℃。
傘をとったときの空気が通る爽快感は格別だが、毎回傘を用意するのもちょっと面倒……。
そこで、今回の「楽しい家風呂」の定義である体温差を最も重視し、そして、外気浴や休憩後にすぐにお風呂上がり支度をすることの手軽さなどを鑑みて、、、
パターン① 熱いお風呂→冷たいシャワー→休憩
を、「サウナタイム的ベスト家風呂の入り方」としたいと思います。
あくまでその日の体調に応じて無理のない範囲で試してみてください!
家風呂を楽しむために大切にしてほしいこと。
本記事の最後に、どうしてもお伝えしておきたいことがある。今回の検証中、最後の3セット目で筆者は猛烈に喉が渇き、少し立ちくらむような感じになった。気がつけば、休憩中の傍に水分を用意していたにもかかわらず、検証中一度も水分をとっていなかったのだ。サウナ施設ならサウナ室の近くに給水機があったり、水分補給をしなければならないという意識が強いので、しっかり水分補給を行なっているが、自宅だとサウナ施設ほど水分補給に対してなかなか気が回らなかったのかもしれない。
入浴中、あまり喉が渇いたという実感はなかったが、大塚製薬の研究データによると、41℃のお風呂に15分入り、30分間安静にしたあと計測すると、発汗量はなんと約800mlにもなるという結果が報告されている。今回、20分の温風呂入浴と10分の温シャワーを浴びているので、相当量の水分を失っている。その間、一度も水分補給していないとなると、快適な家風呂は楽しめない。
また、たとえ寒い季節であったとしても、入浴中の水分不足は特に気をつけなければならないので、家風呂を楽しむためにも必ず入浴中の水分補給は行なってほしい。
なお、家風呂を楽しむ際に飲んでほしいもの。それはもうサウナーならお気づきかと思うが、「イオンウォーター」だ。筆者は数々の飲み物を試してきたが、サウナに適した飲み物はイオンウォーターだと思っている。それは、サウナ中に起こる体の変化やサウナ浴の環境にマッチしているから。詳しくは
コチラ
の記事を参照あれ。
楽しい家風呂を快適で安全なものにするためにも、水分補給は忘れずに。これから暑い季節になるので、
コチラのサイト
からイオンウォーターをまとめ買いしておくのがオススメ。
あ~、それにしても……。
楽しい家風呂だったけど、やっぱりサウナ施設に行きたい……。