ドラマ 「サ道」2021年冬スペシャル版放送記念インタビュー。プロデューサー五箇公貴氏

「サ道」。サウナが好きな人にとって、この本を知らない人はいないだろう。多くの人にサウナの楽しさを伝え、多くの人にサウナを好きになるきっかけを与えた。そんなサウナのバイブルが、2019年7月にレギュラードラマ化。
その後、北海道を舞台にした特番も放送され、それから約1年。来たる2021年2月14日、待望のスペシャル版第二弾が放送される。
今回はスペシャル放送を記念して、ドラマ「サ道」のプロデューサーである五箇公貴氏に、スペシャル版のみどころを語ってもらった。

ドラマ 「サ道」とは

本題に入る前に ドラマ「サ道」 について少しおさらい。
ドラマ「 サ道」とは、2019年7月から同年9月までレギュラー放送された、 タナカカツキ 氏の「サ道」原作のサウナを題材にしたドラマである。
出演は 原田泰造三宅弘城磯村勇斗宅麻伸 。原田泰造演じる主人公の「ナカちゃん」は、サウナを好きになったきっかけを与えてくれた宅麻伸演じる「蒸しZ」と再会するために、日本全国さまざまなサウナ施設をめぐる。
多くのサウナ施設の登場と、そこで働く実際のスタッフの出演、登場人物たちの何気ない会話、長島翔監督のハイセンスな映像演出、サウナの日常を音楽で彩る作曲家 とくさしけんご 氏の音楽、コーネリアスの主題歌、Tempalayのエンディングテーマ…etc。
多くの要素があいまって、サウナ好きはもちろん、まだサウナの魅力に気づいてない人たちからも絶大な支持を得た名ドラマ、それがドラマ「サ道」である。

今回のインタビューは、昨今の情勢を考慮し、リモートで行った。
インタビューに応えてくださったのは、プロデューサー五箇公貴氏。

ドラマ 「サ道」放送から“プチ蒸しZ”が続出

どうぞよろしくお願いします! - サウナーけた

よろしくおねがいします - 五箇プロデューサー(以下、五箇氏)

レギュラー放送が2019年の7月、特番がその年末。もう1年以上前なんですね……。
当時の反響はいかがでしたか?

- 五箇氏 「おかげさまで反響はすごくありました。サウナ施設に行った時に、お客様の会話がよく聞こえてくるんですが「原田泰造がここでこうやってサウナに入ってたよ」とか「水風呂入れないようじゃまだ甘いな」とか話していて、なんだか“プチ蒸しZ”が続出した感じでしたよ(笑」

「蒸しZ」ブランド、すごいですね……。

- 五箇氏 「みんなサウナの楽しさを誰かに教えてあげたいみたいですね。通常ドラマって、1クール単位で放送されますが、ドラマが終わると次の新しいドラマが次々に始まっていきます。でもドラマ「サ道」でいうとドラマは終わっても施設自体は存在し続けるので、施設に直接行って、体験したり、確かめたりできるんですよね。
その体験をSNSなどで感想を言い合って共有する。そういう意味では今の時代に合ったドラマだったんだな、と思いました」

たしかに……。ぼくも上野の サウナ北欧 に行くたびに、外気浴のあの場所や食堂のあの席で楽しそうに座っている人たちを何度も見ました。

- 五箇氏 「あの3人が座っていたととのいチェアー。そしてみんな北欧カレー頼んでいるという(笑)今までサウナの文脈にいなかった人たちがサウナに来てくださって「ととのうってなんだろう」って思ったりしてくれた。そういうのを目の当たりにするにつけドラマ 「サ道」の反響はとても大きかったんだなと感じています」

そうですね。ぼくも今は“プチ蒸しZ”かもしれないので、早く“本蒸しZ”になれるようにがんばります!

- 五箇氏 「“本蒸しZ”は一生をかけてなるものだと思いますよ。あれは自分との問いですから。哲学といいますか」

ドラマ 「サ道」の新作に対して

そんな多くの反響をよんだドラマ「サ道」でしたが、今回のスペシャル版制作にふみきったきっかけや理由などを教えてください。

- 五箇氏 「この仕事をして私も長いのですが、人々に喜んでもらえるコンテンツを世の中に出すのって本当に難しいと思っています。 ありがたいことにドラマ「サ道」は多くのファンの方々に楽しんで頂けています。ですので、キャスト、スタッフ一同、なんとかこのドラマを続けたいと思っています。しかし2020はコロナ禍もあり、サウナ施設自体の運営も非常に大変な状況になってしまいました。ドラマ「サ道」に限らず我々の業界も同じく手探り状態でした。その中で今回新作の制作ができる事になったのは、我々が新作を皆様にお届けしたいという思いが実った結果なのかなと思います」

では、コロナ禍の中でこの情勢に合わせてスペシャル版をつくったというより、スペシャル版をコロナ禍の逆境を打破してつくった、という感じですね。

- 五箇氏 「そうですね。先述の通り、スタッフもキャストも新作をお届けしたいとずっと思っていましたし。個人的な話で恐縮ですが、私は文春オンラインで「 サウナ人生、波乱万蒸。 」という記事を連載しているので、多くのサウナ経営者にお会いしてお話をお伺いしているのですが、今はどの施設もとても大変な状況です。なのでドラマを放送することで施設の方々はもちろん、サウナ好きの皆さんにも、少しでも貢献できればと思って我々は制作しています。
今の時期はサウナとの向き合い方は本当に十人十色だと思います。ナカちゃん、偶然さん、蒸し男君もそれぞれのサウナとの付き合い方をしています。そういったことも、このスペシャル版を通してご覧いただければと思っています」

変わらないドラマ、変わる日常。

今回のスペシャル版のこだわりなどをぜひ教えてください。

- 五箇氏 「楽しみにしてくださっている皆様がドラマに期待することって、「サウナを楽しむ人々の日常」が見られることなんじゃないかな、と思っているんです。あくまで日常のサウナライフを描いているのがドラマ「サ道」なので、その軸はぶらさないようにしようと、長島監督や脚本の根本ノンジさんをはじめスタッフ一同で話し合いました。ドラマ「サ道」ならではの王道感、普通であることをストレートに描こうと」

ぶらさない普通感。いいですね……。
だからドラマ「サ道」は観心地がいいんでしょうね。

- 五箇氏 「サブタイトルにも「2021年冬 東京の空の下、少し離れてととのう~」とあるように、普通の日常を描いてはいるものの、ナカちゃん、偶然さん、蒸し男くんの3人の日常は、以前とは少し違うものになっています」

たしかに……。サウナとの向き合い方、サウナとの日常がガラッと変わりましたよね。

- 五箇氏 「サウナ室や食堂ではしゃべらない。感染対策に注意して入浴する。以前とは少し変わった日常におけるサウナライフ。そういった中でどうやってサウナと向き合うのか。ドラマ「サ道」なりの考えも描いていると思います」

より近くなった3人との距離感

今回のスペシャル版で、「特にここを観てほしい!」というようなポイントはありますでしょうか。

- 五箇氏 「そうですね……。観てほしいところはたくさんありますが、個人的には「距離感」ですね」

距離感??

- 五箇氏 「今回のドラマは、まさにこのタイミングでないと観られないドラマになっていると思います。コロナ禍で変わった日常、置かれている環境、悩みはナカちゃん達3人も、我々も一緒です。彼らも実社会に生きる我々と同じ環境の変化を感じています。視聴者の皆様と3人の距離感は、今までのドラマ「サ道」よりももっと近く感じられるんじゃないかなと思うんです」

たしかに……。サウナに関して、ぼくもナカちゃんも同じことで悩んでいるのか、と思うとなんだか距離感が近く感じますね。

- 五箇氏 「でも今回のスペシャル版も、根本的にはいままでと変わらないドラマ「サ道」です。ただ、「変わらないけど少し変わっているところ」を、ぜひご覧いただければと思います」

コロナで変わった日常。大きく変わったサウナライフ。なにが正しくて、なにがいけないのか、絶対的な正解はだれもわからない。ただ、同じ理由で悩み、その中からサウナとの向き合い方のひとつの選択肢を、あの3人が教えてくれる。そう思うと、早くあの3人に会いたくて仕方なくなってくる。

「ドラマ 「サ道 ~2021年冬 東京の空の下、少し離れてととのう~」放送まであと少し。ぜひおたのしみに!

取材協力、写真提供
©「サ道」2021年冬SP 製作委員会
サ道 ~2021年冬 東京の空の下、少し離れてととのう~
2021年2月14日(日)午後4時~午後4時55分
テレビ東京 テレビ大阪 テレビ北海道 TVQ九州放送 テレビ愛知
テレビせとうち にて放送