サウナタイム、サウナつくる 前編

サウナタイムがリリースしておおよそ2年半。多くの投稿、多くの取材を行い、国内外問わずたくさんのサウナにお邪魔してきた。
そしてこの度、念願のサウナタイムプロデュースのサウナが、鳥取県は琴浦町に誕生する。
なぜ鳥取県なのか。どんなサウナをつくるのか。前編と後編の2話にわたり紹介!

サウナ室建設は官民コラボした一大プロジェクト

鳥取県の中央に位置する小さな町、琴浦町。そこに日本の滝百選にも選ばれた「大山滝」を有する国立公園、大山隠岐国立公園がある。その中のキャンプ場「 一向平キャンプ場 」を運営する株式会社一向平キャンプ場の都築社長より、2019年12月に サウナーけた の元に連絡が入った。

「最高のサウナをつくって欲しい」

サウナタイムのユーザーでもあった都築社長は、キャンプ場再生の敏腕社長。琴浦町が保有する一向平キャンプ場は、県内外ともに集客に苦戦しており、その再生人に選ばれた指定管理者だ。
キャンプ場再生の目玉戦略として、キャンプ場にサウナ室を建築し、キャンパーのみならず多くのお客さんに一向平キャンプ場に来てもらう、いわば今回のサウナ建設プロジェクトは、行政とタイアップしたビッグプロジェクトであった。
都築社長の熱い想いを聞かせてもらい、いつか自分が理想とするサウナを作りたいと思っていたサウナーけただったが、すぐに返事はしなかった。

理由は、「自分が理想とするサウナ」にはいくつかの条件があったからだ。

理想のサウナ室を考える

いいサウナとはあくまで個人の主観であって、必ずしもこれが正解というものがあるわけではない。あくまでけた個人の理想のサウナということになるが、それにはいくつかの条件があった。
まずはサウナ室。熱源は薪や電気などは問わないが、 セルフロウリュ は絶対にやりたい。サウナ好きもサウナ初心者も同時に入ることができ、そしてなるべく同じ時間一緒にいれるようにしたい。つまり座る場所によってはガツンと熱くもなるし、いつまでもいられるようなマイルドな熱さにもなる構造がベストと思っている。
テレビや音楽などの情報は一切いれず、フィンランドのサウナ室で感じたような、暗く静かで穏やかな時間をしっぽり楽しんだり、また家族や友人との会話を楽しめるものにしたい。

その旨、けたは都築社長に話すと、

「一度現地に行きましょう」

ということで、2020年2月、鳥取県琴浦町に趣き、サウナの設計士との面談、現地の状態など視察し、理想のサウナ室は実現できると確信した。

理想の水風呂を考える

続いて、自分が思う理想の水風呂。まずそもそもだが水風呂は必須と考えている。フィンランドはサウナ後に外気浴だけで体を冷やしたりもするが、やはり水風呂はサウナの醍醐味。絶対に設置したい。川や湖で冷やす方法もあるが、子どもが入ることを鑑みると水風呂の方が安全だと思う。
水風呂の水温はなるべく冷たい方がいい。水風呂がぬるいとその後の爽快感が薄まってしまうと個人的に考えているからだ。初心者にとって冷たすぎる水風呂は少しキツいかもしれないが、温シャワーも完備してあるし、入水時間を短くすれば大丈夫そう。
そして水質はミネラルを豊富に含んだ天然水がベスト。そしてすごい贅沢なことを言うと、水は循環ではなく完全かけ流しがいい。

サウナをつくる一向平キャンプ場は、飲料水としても販売されているほど豊富なミネラルを含む大山滝の天然水をひいてある。標高が高く深い森の中なので、真夏でも水温は約18℃をキープでき、秋や冬だとキリッとした冷温になる。
豊富な水量があるので、水風呂はプールタイプにして施設の外に設置し、ダバダバと贅沢なかけ流しができそう。
なお、冬になると夢の雪ダイブもできる。

理想の休憩スペースを考える

そして、サウナ、水風呂と経た休憩。 昨年、フィンランドに行った時 深い森の奥で外気浴をしたときの、包まれるような爽快感が忘れられず、休憩できるスペースは外、しかも生活感を感じない深い森がいいと思っていた。 一向平キャンプ場はかなり深い森の中。木漏れ日を浴びて、そよ風を感じ、鳥や虫の息づかいを聴きながら行う外気浴は、森と一体化するかのうよう。

一向平キャンプ場でのサウナ建設。ここには自分のつくりたいサウナの要素がふんだんに盛り込まれていた。
現地視察を経て、けたはプロデュースを快諾し、そこから官民コラボした一大プロジェクトがスタートした。

オープンは10月22日!

そこからは怒涛のスケジュール。
琴浦町役場の方との打ち合わせ。

設計士の方との打ち合わせ。

超ヘタなサウナ室のラフ画。

現地視察。

現地視察中は食事も全て自炊でキャンプ生活。

…など慌ただしく過ぎた。そして、琴浦町の町長との対談も果たし、激励の言葉もいただいた。

新緑の季節になると爽やかな緑で一面覆われ、真夏でも標高が高いので暑過ぎない。

そして、冬になると一面雪景色。

多くの顔をもつ一向平キャンプ場。ゆえにいろんな季節の楽しみ方ができそう。

オープン予定は2020年10月22日。詳細は次回の「サウナタイム、サウナつくる 後編」にて。
小さな町の大きなプロジェクト!サウナ室完成まであと少し!

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