サウナ銘店探訪12 兵庫県「神戸サウナ&スパ」

全国のサウナ施設を取材し、その魅力を発信する企画「サウナ銘店探訪」。今回取材した施設は、兵庫県の神戸市にある銘店中の銘店「神戸サウナ&スパ」。サウナタイムの口コミでも、「完璧な施設」「無いものが無い」「走攻守揃っている」など、サウナーを唸らせる完璧さが表現されている。神戸サウナのもつ「完璧さ」とは?その秘密を探った。

4つのサウナ室と2つの水風呂。充実した浴室。

神戸サウナの浴室には驚くほどたくさんのコンテンツがある。サウナ室は、ロウリュサービスが行われる「メインサウナ」。セルフロウリュができる「フィンランドサウナ」。天然塩を使った「塩サウナ」。トルコ式岩盤浴ができる「ハマーム」と4つもある。さらに温度の違う水風呂が2つ。巨大な内風呂と開放的な露天風呂はどちらも天然温泉。まさに全てが揃っている。 浴室の入り口に立つ巨大扇風機。浴室内と館内の換気は驚くほどにいき届いており、息苦しさを感じさせない。 浴室を出るときに足元を洗ってくれるフットシャワー。こういう細かい気遣いがとてもありがたい。

ポイント① 実施回数日本一のロウリュ

ここからは、神戸サウナが完璧と言われるポイントを探っていこう。まずはサウナ室。いまや全国のサウナ施設で定番サービスとなった「ロウリュ」。このロウリュの実施間隔は施設ごとによって違うが、多いところは1時間に1回ロウリュを実施してくれる。だが、人気施設だとロウリュの時間にサウナ室がかなり混雑してしまい、サービスを受けられないこともよくあるだろう。 しかしここ神戸サウナのロウリュはとてつもない実施間隔。なんと20分に1回、1日67回ものロウリュをしてくれるのだ。これだけ頻繁にロウリュをしてくれるので、サウナ室が極端に混雑することもないし、自分のペースでロウリュを受けることもできる。 一回一回のロウリュはとても丁寧。100℃を超えるサウナ室と、巨大なサウナストーブにロウリュをし、ワイルドにタオルで攪拌する。 静かにサウナに入りたい時は、露天スペースにあるフィンランドサウナへ。このサウナはテレビも音楽もない静かなサウナで、自分自身でサウナストーブに水をかける、いわゆるセルフロウリュができる。 フィンランドサウナの入り口には、セルフロウリュが出来る バケット(バケツ) と、 ラドル(水をすくう柄杓) 、 さらには ヴィヒタ までも用意してくれている。

ポイント② 驚きの塩サウナ

ポイント2つ目は塩サウナ。2019年12月にリニューアルされた神戸サウナの塩サウナは、おどろく要素がふんだんに盛り込まれている。まずは用意された天然塩の量。桶いっぱいに盛り付けられた塩は、桶からあふれ床にまで広がっている。これだけの量があれば、全身にしっかりと塩をまぶすことができる。 さらに驚くことが、塩サウナ室の熱さ。塩サウナ室と聞くと、湿度が高く温度が低い「湿式サウナ室」をイメージすると思うが、ここのサウナ室の温度は約80℃。ストーンタイプの大きなサウナストーブから、ガンガンに対流熱が届いてくる。 そして神戸サウナの塩サウナいちばんの見所は、サウナ室を出たところにある。このサウナ室は入口と出口が分かれており、出口のドアを開けると自動的に天井からシャワーが流れ、体の汗と塩を流してくれる。

ポイント③ 温度を選べるナノテク水風呂

神戸サウナの完璧さはもちろん水風呂までも。用意されている水風呂は2つ。マイルドな17℃台の水風呂と、キリッと冷やした11℃台の水風呂。好みによって温度が選べるのはありがたい。さらに嬉しいことに、11℃台の水風呂は露天スペースにある。外気を浴びながら入る水風呂は最高に気持ちいい。また、ここの水風呂は「ナノテク」という技術を使い水質を良くしている。ナノテクとは、水の粒子を驚くほど細かくし、肌へのあたりを柔らかくする技術。これにより水がまろやかになり化粧水のように肌に浸透する。 露天の水風呂が冷たすぎる場合は、浴室内の水風呂へ。好みによって水温が選べるのが嬉しい。 露天の水風呂は11.7℃。この数字、兵庫県民は見覚えがあるだろう。11.7。小数点を動かすと1.17。1月17日。これは1995年に阪神大震災があった日。震災により営業困難になるほど被災した神戸サウナは、なみならぬ努力で復活を果たした。不屈の精神と、多くの人への感謝。その想いがこの水風呂に込められている。

ロウリュサービスは混雑する。これを神戸サウナは実施回数で解決し、静かなサウナが好きなひとにはフィンランドサウナを用意。塩サウナは温度が低く汗をかきにくい、をストーブのパワーで解決し、水風呂の温度が合う合わないは、温度別水風呂を用意することで解決。施設はとても清潔で、スタッフのホスピタリティが非常に高い。神戸サウナの「完璧」の秘密は、客が感じる不便を徹底して解決していることにあると感じた。 ここには全てが揃っている、まさに完璧なサウナ。そう、ここに無いものは、館内着のポケットくらいだろうか…。

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