服と一緒に肩書きも脱ぐ。 EY Japanサウナ&スパ部の集会に潜入取材

近年、会社内で「サウナ部」なるものを立ち上げるビジネスマンたちが増えている。 サウナ好きで集まりサウナに行く。飲み会の前にサウナに行く。その活動内容は様々だが、サウナ&スパ部として男女含め50名近い大所帯を抱え、非常に効果的にサウナ部を運営している、EY Japanの集会に潜入した。 サウナ&スパ部とはどういった活動をしているのか。またどのような効果があるのか。その秘密を探った。

宴会開始は20:00から。それまでの各自自由にサウナを楽しんで。

東京都新宿は「 天然温泉 テルマー湯 」が、今回のサウナ&スパ部の集会場所。世界屈指の大企業であるEY Japanの50名近い集会ともなれば、全員でサウナに入り、サウナ、水風呂、外気浴のタイミングもきっちり合わせるものかと思いきや、「20:00から宴会開始。それまで各自自由にサウナ」というなんともフランクな活動。19:00からのロウリュにむけてぽつぽつと部員が浴室に集まり、ロウリュ開始時にはサウナ室は満席に。「サウナ上がりのビールが最高にうまい」とメンバーはこれから始まる宴会を楽しみに全身でロウリュを受けていた。このゆるさも、サウナ部活動の楽しさのひとつのよう。

サウナがきっかけで案件を獲得。昔はゴルフが経営者のコミュニティだったが、今はサウナ

20:00を過ぎるとテルマー湯の宴会場にぞろぞろと部員の男性、女性のみなさんが集まってくる。 宴会の合間に、部員であること、またサウナを好きになってよかったことなどをインタビューしてみた。ある部員は、なんとサウナがきっかけで仕事の案件を獲得したそう。 新規提携提案中のクライアントとの交渉で、ふとサウナの話になり、先方の社長がかなりのサウナ愛好家であることが判明。そこから話が盛り上がり、見事提携を獲得した。実際、その案件に携わった部員いわく、 「スタートアップの経営者はサウナ好きが多いと確信しています。最初はかなりタフな仕事をこなさなければならないため、精神的にも肉体的にも癒しになるサウナは必須。また、デジタルデトックスをして一人になる時間は考え事や意思決定にぴったり合う。昔はゴルフが経営者コミュニティの定番だったが、いまはそれがサウナになったのではないか」 その部員は目を輝かせてこう締めくくった。 「サウナで日本の経済界を盛り上げて行きたい」

女性部員も多数在籍。サウナは美容にいい、それがサウナを始めたきっかけ。

EY Japanサウナ&スパ部の特徴のひとつとして、女性部員が多いことが挙げられる。実際、サウナ部の男女比率は、男性37名に対し女性が13名。今回の宴会も女性が多く、かなり華々しい雰囲気になっていた。そんななか、女性部員の方にも話を聞いてみた。 「サウナ自体は、サウナ&スパ部に入ってから好きになりました。最初は、え!サウナ!?って思いましたけど、うちの部長の「美容にいいよ」という言葉がきっかけでやってみようと思いました。最初は水風呂になかなか入れなかったけど、今は水風呂のないサウナはサウナじゃないと思います。そして、実際ものすごく美容にいいんですよ。体から毒素が抜ける感じがして、肌ツヤの調子がとてもよくなります。なにより、岩盤浴やヨガよりも気軽にすることができるというのがいいですね」 たしかに。いくら効果的なエステやヨガがあったとしても、とても高価だったり、気軽に継続できなければ意味がない。サウナを好きになるきっかけは本当に千差万別。

部署も役職もばらばら。サウナを通じて普段話せない目上の方とのコミュニケーションも容易にとれる

そして、EY Japanサウナ&スパ部のもう一つの特徴として、部署間の偏りがなく、多くの部署、役職の方達が混在しているというところがある。 サウナ&スパ部をコミュニケーションのきっかけとして大いに役立たせているという部員にも話を聞いてみた。 「サウナが好きになったきっかけは入部してからです。入部前はなんでこんなものがいいのかわからなかったけど、サウナの入り方を教わったおかげでいまは好きで仕方ありません。社内の人材育成プログラムの一環で「海外チャレンジ」という企画があるのですが、そこで「フィンランド文化を学ぶ」という企画を通し、見事フィンランドまで行けたことがあります。これもサウナ&スパ部に入ってサウナを好きになったから。この企画や部活動を通して、普段なかなか話すことができない目上の方とざっくばらんにコミュニケーションがとれるようになりました。サウナに入ってしまうと、まさに服と一緒に肩書きも脱げるので、部署間横断したフランクなコミュニケーションが容易にとれます」

この大所帯なるサウナ部を執り仕切る、敏腕部長兼CSO、高須邦臣氏

多くの部員たちが、サウナ部をきっかけにサウナを好きになり、サウナを通して仕事を最大限楽しんでいるようだ。 そんな大所帯なるEY Japanサウナ&スパ部を率いるサウナ部長 兼 CSO(チーフ サウナ オフィサー)である、高須 邦臣氏に、部の設立エピソード、部活動について聞いてみた 「サウナ&スパ部は会社公認の部活動ですが、この公認をとるのが大変でした。実は最初は却下されたんです。却下の理由は「技術の向上が見込められないから」。そこから私は怒涛のプレゼンをしましたよ。サウナがもたらす心身の健康、コミュニケーションの活発化。 1年間の非公認期間を経て、ようやく公認を得ることができました。もともとサウナ&スパ部を作ろうと思ったきっかけは、弊社は8,000人を超える巨大組織ゆえ、コミュニケーションが縦割りだったんですよね。そこをなんとかしたかった。いまではみんな楽しんでサウナに行ってくれます。気軽にチャットツールを使い、今日サウナに行ける人を呼び掛け、このような大きな宴会は月一で必ずやる。締め過ぎずゆる過ぎない。適度な部活感が、入部しやすく継続しやすいコツですかね」

働き方改革や自由なコミュニケーションなどが必要とされるようになった職場環境。従来の定型的な組織構造を、もっと自由に、もっとクリエイティブに改革していこうにもなかなかうまくいかない。それは改革そのものが、従来の仕事のやり方で行おうとしているからではないだろうか。思い切ってやり方を変えてみる。従来の組織図にとらわれないコミュニケーションにチャレンジしてみる。そのきっかけ、そのヒントは、意外にも「サウナ部」というところにあるかもしれない。

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