サウナ室よりも熱く水風呂よりも純粋な愛を五十余年前からずっと
フリコメは偶然発見したお宝について。お宝の場所は2階のマガジンラック。お宝は古雑誌の中に紛れ込んでいたケーブルテレビの加入者向けに配られている冊子。巻頭に大垣サウナの記事があって、2016年12月の記事だけど内容的にはまったく古くなく、むしろ新規客が増えている今の方が価値は高まっている。マグ万平さんの動画と併せて読まれることをおすすめ。亡き先代社長、正国さんの顧客愛、施設愛、サウナ愛、そして現社長のママさんが語るエピソードに見える夫への愛、さらに常連客の施設愛。わずか3ページの記事に詰め込まれたさまざまな愛に感涙必至。名古屋のお嬢様が親が決めた縁談に従うままに正国さんに嫁いで、それまで外で働いた経験がないのにいきなりサウナ施設の接客をしたりと、すごいことをさらっと語っていることに始まり、興味深いエピソードが目白押し。現在の建物に変わった時に「そんなに儲けなくてもいい。亡くなった時にいい人だったねと言われるように過ごそう」という言葉に胸が熱くなり、正国さんの最期の言葉「絶対に店は休むな。お客にも業者にもいうな」、夫亡き後、やめようとしたママさんへの「やめたらあかんよ」「俺らはどこ行くんや」という客の言葉に涙腺決壊。ここで全てを紹介することはできないのでぜひ大垣サウナに行って実際に読んでほしい。いや、全てのサウナーが絶対に読むべき。
夏になって体感温度がわずかに上がったように感じたがキレ味は健在。澄み渡った水に浸かって床に描かれる美しい波紋をぼんやり眺めるといつまでも水風呂から出られなくなってしまうのも半年前と変わらず。浴室に入って水の匂いが鼻に入ってくるとそれだけでととのうことも。ステップと手前側の底が滑り止め仕上げをされていて、勢い余って転倒しないようとの細やかな配慮が嬉しい。他施設ではこういう配慮は意外に見ない。
水質に定評のある水風呂に共通する「いつまでも入っていたい水風呂」。冷たさの伝わり方が穏やかなため、ぬるいと錯覚しそうになる。常連はほとんど汗流しをしないが、オーバーフローで汚れが押し流されるからか、常に澄み渡っている。オーバーフローした水が床に波紋を描いて流れていくのが美しい。
入浴料 | ¥1,600 |
入浴料22:00以降 | ¥1,000 |
朝風呂(日曜日6:00~9:00) | ¥500 |